「青切符と赤切符って、何が違うんですか?」
色の違いは紙だけです。
本質的な違いは、“刑事事件になるかどうか”です。
まず青切符。正式名称は交通反則通告制度。
根拠は道路交通法第125条以下にあります。
第125条第1項では、一定の軽微な違反について、
「反則者に対し、反則金の納付を通告することができる。」
と定めています。
そして重要なのが第128条。
「反則金を納付したときは、公訴を提起しない。」
つまり、反則金を払えば刑事裁判にならない。
前科もつかない。これが青切符の正体です。
一方、赤切符はどうか。
正式名称は「告知票・免許証保管証」などですが、意味は明確。
刑事事件として扱うという通知です。
道路交通法第117条などには、重い違反に対する罰則が明記されています。例えば、
「1年以下の懲役又は30万円以下の罰金」
といった刑罰が規定されています。
赤切符の場合、
違反
↓
送致
↓
検察審査
↓
略式命令または正式裁判
↓
罰金刑
という流れになります。
ここが決定的な違いです。
青切符は「行政的処理」。
赤切符は「刑事処罰」。
では自転車の場合はどうなるのか。
2026年改正により、自転車の軽微違反が青切符対象になります。
信号無視(第7条)、通行区分違反(第17条)、安全運転義務違反(第70条)などが想定されています。
しかし、重大な違反――
・酒気帯び運転
・危険運転に近い行為
・重大事故を起こした場合
これらは従来どおり赤切符対象です。
例えば第65条第1項。
「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。」
自転車も「車両等」に含まれます。
飲酒運転は青切符では済みません。
ここで重要な哲学的ポイントがあります。
青切符は「軽微だから許す」制度ではありません。
「刑罰にせず、迅速に処理する」制度です。
社会的制裁のレベルが違うだけで、違反であることは同じ。
しかも、反則金を払わなければ赤切符と同じルートに入ります。
つまり境界線はこうです。
危険性が比較的低い
→ 青切符(反則金)
社会的危険性が高い
→ 赤切符(刑事罰)
色の違いは、社会的評価の強度の違い。
2026年以降、自転車はこの二層構造の中に明確に組み込まれます。
これまでは「ほぼ指導」。
これからは「違反は違反」。
法律は冷酷ではありません。
危険の程度に応じて、処理の強度を変えているだけです。
青と赤。
その境界は、危険の大きさです。